よくある質問など

    =センターから見えるもの=

  • 対岸はどこですか?

    センターはほぼ真東を向いています。真正面から左(北)は長浜市で、長浜の町や長浜城が見えます。左手の竹生島のすぐ左の対岸に、湖北野鳥センター・琵琶湖水鳥・湿地センターがあります。 ほぼ正面の長浜ドームからフジテックのエレベータ研究塔までは米原市、さらに右は彦根市になります。あいにく彦根城は岬の影で見えませんが駐車場の北端からは見られます。

  • 光が点滅している白い高い塔はなんですか?

    エレベータのメーカー「フジテック」の研究塔です。高さは170mあり、当センターがリニューアルした年の2006年の11月に竣工し当時は世界一の高さでした。

  • 伊吹山はどれですか?

    正面左手に見えます。三角形に大きく山肌が削られたところのある山で、時々雲に隠れたり、見通しが悪くて見えないときもあります

    伊吹山の右の山は霊仙山(りょうぜんさん)といいます。よく霊仙(りょうぜん)とだけ略されます。鈴鹿山系の最北端にあたり、その北側は関が原になります。

  • 沖合いの草の生えてるところは?

    漁礁とよく呼ばれていますが、正式には浮産卵床(うきさんらんしょう)という名前で人工の浮島です。センターが出来た頃(平成元年頃)に滋賀県の水産課が魚の増殖場として設置し、ヨシなどがスポンジに植栽されていて魚が産卵する場所を確保するために作られました。鳥のためではないのですが、防波堤のような役割になって湾内が穏やかになったり、草地の上をチュウヒというタカが飛んだり休んだりしています。

  • 漁礁の近くの棒は何ですか?

    上記のとおり「浮産卵床」は人工の浮島なので、流されないように湖底からロープで固定してあります。また人が上陸すると危険なため、看板やライトを設置するためにポールが多数立てられています。ポールにとまる鳥は、ほとんどカワウで、時々トビやユリカモメがとまっています

  • 漁礁には何が植えてあるのですか ?

    通称「漁礁」の「浮産卵床」は、当初ヨシやスズメノヒエなどが植栽されました。その後種が運ばれてきて外来移入種のセイタカアワダチソウなどが広がっています。

  • 「えり」って何ですか ?

    魚を獲るための漁具の一種です。魚へんに「入」という漢字で、魚が泳いでいくと進路を塞がれて徐々に小さい「つぼ」と呼ばれるところに閉じ込められてしまうという仕掛けです。以前は竹簾でしたが、現在は人工のポールに網をはって作られています。数百メートルある巨大なものから数十メートルの小ぶりなものまでいろいろあり、センター湾内にも数基設置されています。

  • =利用問い合わせ=

  • いつ開いてますか?

    火曜日以外の午前10時から午後5時です。11月から1月は暗くなるので4時に閉館します。

  • なにがあるんですか?なにができるんですか?

    館内の窓際カウンターに望遠鏡(20倍固定)をおいていて、図鑑や資料などを含めて自由に使って水鳥などを見る事が出来ます。施設外ですが外は主に北側に遊歩道があり、自由に散策できます

  • 館内で飲食は出来ますか?

    館内は持込飲食出来ません。館内カフェをご利用されるか、周辺の飲食施設をご利用下さい。

  • エサをやっているのですか

    指定管理となった2006年4月から給餌は行っていません。野生生物への給餌は彼らの生活と環境に大きな影響を与えます。自然と人が暮らす新旭の湖岸をそのままの姿でご覧下さい。極簡単に影響について列挙すると●本来の生息地とエサから離してしまう●慣れやすい種類のみ集まりこの場所に本来生息する種類を遠ざけてしまう●鳥の様々な行動をじっくり観察出来ない●「野生生物にはエサをやって楽しむものだ」という認識を育てることになり、当センターが本来果たす自然環境の理解につながらない、などが挙げられます。

  • 望遠鏡・双眼鏡の持込はOKですか ?

    OKです。ただし入館料は通常通り必要です。また特に望遠鏡を三脚をつけてご利用の際は他の方のご迷惑にならないようご注意下さい

  • =利用料金について=

  • 入館料はいくらですか?

    入館料は200円です。15歳以下は無料です。

    10名以上の団体については、10名あたり2名分以下の引率者のみ入館料を頂きません。また15歳以下の方も有料200円となります。限られた広さのセンターですので重ならないよう必ずご予約下さい。 なお、高島市内の学校団体等については全額免除となります。

  • 水鳥会員について

    年会費2000円にて、本人と同行者1名まで入館料が不要になります。またショップでの購入が5%割引になります。その他アウトドアアクティビティの料金も割引になります。 当センターは、高島市から管理経費の一部として指定管理料を受け取っております。しかしそれと利用料だけでは到底経費を賄えず、自主事業での利益等を当てて運営しております。継続した運営への貴重な収入源です。水鳥観察だけではない、自然環境を味わい理解につながる活動を通年に渡って行うためにも、ぜひとも当センターの運営主旨にご理解頂き、ご支援下さいます様お願いいたします。

  • =その他=

  • いつ出来たのですか?

    1980年代に滋賀県が鳥たちの多い湖北地方と湖西地方に1箇所ずつ、湖畔に水鳥を見られる施設建設を検討していました。湖西では当時ここ饗庭の湖畔に水鳥が多く見られたこと、熱心な水鳥観察グループがいて記録を残していたことで誘致活動があり、また実際に建物を建てるにあたっての法的な規制などもあってこの場所に建設されることになり、1989年12月20日からオープンしました。

  • 水鳥観察センターは近くで他にはないのですか?

    琵琶湖畔では、対岸の長浜市湖北町に「湖北野鳥センター」が1988年からあります。また琵琶湖がラムサール条約という湿地の保全を目的とした国際条約の登録湿地になったことをきっかけに、湖北野鳥センターの隣に「琵琶湖水鳥・湿地センター」という展示や学習がメインの施設が出来ました。 その他施設の規模や職員が常駐しているか無人かなど違いはありますが、主に水鳥が飛来する水辺に鳥を見られるような施設は全国、また世界にもたくさんあります。

    =水鳥を見よう=

  • どんな鳥が見られますか?

    12月~3月)一番多いのはオオバンという鴨のように浮かんでいるが鴨ではない鳥で数千羽います。カモの仲間は、ホシハジロやキンクロハジロ、ヒドリガモ、ヨシガモ、マガモなど10数種類やってきます。他にはカンムリカイツブリやカワウ、アオサギ、鷹の仲間でチュウヒやミサゴなどです

    コハクチョウは稀に見られます。オオヒシクイやマガンなどガンの仲間の群れは高島側には数羽しかやってこず、主に湖北地方に降り立ちます。

  • 代表的な3種類をあげると?

    冬季に琵琶湖で最も数の多いオオバン、次に多いカモ科のキンクロハジロ、そして水鳥センター前で一年中見られてスマートで美しいカンムリカイツブリをあげています。

  • 今何が見られますか?

    随時当センターホームページやツイッターにて情報提供しております。それでも毎日数分で状況が変わっていきます。ご来館時にいる鳥たちを見てお楽しみ下さい。冬季はオオバンやホシハジロ、カンムリカイツブリなどが見られます。他にも数十種類いますが、大きく移動します。特定の鳥をお探しの場合はご自身の観察用具をご用意になり周辺を歩いたり移動したりする必要があります。

  • 何時ごろがたくさん見られますか?

    鳥の動きは日々の天候や人の動き等によって毎日変わるので、何時が多いかは全く定まりません。センターは東向きなので、午後から光線の具合が良くなり見やすくなるのでお勧めします。

  • カモが見られる季節は?

    種類によって異なりますが、9月下旬から4月上旬まで、冬越しの渡り鳥が見られます

  • 探鳥会に参加したいのですが?

    冬季は毎月、その他は偶数月の主に第4日曜日に日本野鳥の会滋賀支部との共催で実施しております。4キロほど周辺を歩きます。初心者の方歓迎ですので、お気軽にご参加下さい。


  • =鳥ってどんな生きもの?=

  • 何を食べますか?

    種類や季節、年齢によって異なることが多いです。それぞれ得意な食べ物や食べる場所があり、それが多様な鳥たちが見られる理由の一つです。食事風景を見ることが出来たら、ぜひよく見て何をどのように食べているのか読み取れると面白いです

  • 喧嘩はしませんか?

    人間のような喧嘩とは異なると思いますが、同じ種類でも違う種類でもお互いに意識して行動しています。小さな小競り合いのような行動は良く見られます。理由としては食事・個体間距離(近づきすぎ)・営巣や休息場所などが上げられます

  • 何年くらい生きますか?

    野生の生き物の多くは大人になる(繁殖可能になる)まで、また1歳になるまでに死ぬ鳥がほとんどと言われています。また平均寿命を調べることは現実的に不可能です。飼育下では小鳥でも10年以上生きたりしますが野生状態では分かりません。一般的に長生きと言われている大型の水鳥(ハクチョウやカワウ、アホウドリなど)は足輪をつけて離す調査などから、少なくとも20年以上生きる個体がいることが分かっています

  • 何羽くらい雛は生まれますか?

    種類によって、また生息状況(えさなど)によって変わります。カルガモでお馴染みの小型のカモの仲間は割と多産で、1回に10羽近く卵を産んで孵しますが、飛べるようになるまでにかなりの割合で死亡してしまいます。その他の種類は専門的な図鑑やそれぞれの論文などを引くことになります

  • 大人になるまでどの位かかりますか?

    生物の世界では「大人」とは繁殖可能なことをいいます。生まれた次の年の春から(数えで1歳)繁殖できる鳥もいれば数年かかる鳥もいます。小鳥はおよそ1歳から、大型の鳥は数年経ってからと、体の大きさが目安になります。

  • 鳥の大きさはどの位ですか?

    野生の鳥は人間が手にとったり近くに見たりすることが難しいので、大きさは実感しにくいものです。一般的な図鑑には「全長」という、「首を伸ばして嘴の先から尾羽の先までの長さ」を計った長さが書かれてあるので参考にして下さい。大きさの基準には他に体重があります。変動が大きく記載が少ないのですが、飛ぶ為に他の動物に比べて軽いという特徴があります

  • 夜はどこで眠りますか?

    ヒトの「眠り」と他の生物の「眠り」は大きな違いがあるので、まずそれを確認します。「眠り」には、「大脳(考えること)」を休めることと、「身体」を休めることの二つの役割があります。ヒトでは「大脳」という考える機能がとても発達しているため、十分継続した時間で体と同時に休める必要があります。 それに対して他の生物は「大脳」を休めるのに必要な時間が短くて済みます。そのため「深い眠り」につくことはあまりありません。その代わり食事しない間は出来るだけ体力を使わないよう休んだり、他の動物に食べられないよう警戒していたりしています。
    このように考えると「夜だから寝る」ということは一般的にはありません。それぞれの種類の暮らし方によって「昼間寝る鳥」「夜寝る鳥」「細切れに時々寝る鳥」など色々です。 そこで「場所」について考えます。第一に「他の動物に襲われにくい」場所、第二に「体力を出来るだけ使わなくて済む」場所が良いことになります。カモの仲間などは水の上という、哺乳類の捕食者(キツネやネコ、ヒトなど)が近づけない場所で休むことが出来るので、水の上や水に囲まれたところなどが良いことになります。
    古来からヒトに狙われてきたカモの仲間は、ヒトから逃れるために昼間に水上で休み、ヒトの目が利きにくい夜に行動するようになりました。日本各地にある「鴨池」はカモのねぐらとして保護されると同時に周辺で猟をする場所として設定されたものが多いです。

  • 怪我した鳥を見つけた時はどうしたら良いですか

    野生の生物は、野生のまま生きて死んでいきます。基本的にはそっとしておく、そのまま見守ることになります。また人間が簡単に捕まえられる場合は非常に弱っていて野生復帰が難しい場合がほとんどです。無理に捕まえようとしてお互い怪我をすることがあります。さらに人間の側に感染症のリスクも少ないとはいえあります。 それを理解した上で保護された場合は、都道府県の担当課(滋賀県では自然環境保全課(077-528-3483))に連絡して、獣医師を紹介して頂くことになります。

    =ハクチョウについて=

  • いつハクチョウは来ますか ?

    例年10月前半に琵琶湖の北東の湖北には飛来し、高島側でもその頃に飛来します。そして2月末には北へ旅立ちます

  • いつ、どこで見られますか ?(高島市内)

    高島市で主に見られるのは、北から今津浜周辺、センター北の木津浜、センター南の六矢崎浜から風車村付近、また安曇川町から高島町の湖岸で、横江浜、近江白浜、萩の浜、松ノ木内湖などと、また内陸のエカイ沼周辺の田んぼで見られます。田んぼに降りてくるのはおよそ雪が降り出す頃です

  • =水鳥の暮らし=

  • どこにいますか?なぜここにいますか?

    たくさんの水鳥が群れていたり、あちらにいるのにこちらにいないような時に不思議に思いますね。いくつかの答えがあるように思います。
    一つ目は、同じ水鳥でも種(しゅ)ごとに住み分けているという点です。生きものは種によって食べ物や食べ方など暮らし方が少しずつ違います。岸辺近くが得意な種、警戒心が強い種、水の深さや水底の様子、時間など様々な環境条件のバランスによって、その場にいる種類が変わります。
    二つ目はそれぞれ水鳥たちは日々場所を変えることがあります。最初に書いた通り望ましい場所というのはあるのですが、それぞれの個体が全く同じ場所にいては色々と危険があります。食べ尽くしたり襲われる危険が高くなったり季節ごとに条件が変わったりします。また良い条件の新たな生息地が見つかれば有利なので探しに出かけたりします。それで場所を変えることがあります。
    その他に「見ている人間の都合」がかなりあります。たいてい人はわずかな時間しかその場で見ていません。そしてその場に鳥がいても見えていなかったり、たまたま見えたり、いない場所は当然見えなかったりします。「ここにいるな」とか「いないな」ということは「観察者の有無や条件」によって変わるものです。 それぞれの種ごとの得意な条件については、 ぜひご自身の目で確かめてみたら面白いと思います

  • 水鳥はなんで陸上にいかないのですか

    カモやカイツブリの仲間は水に浮かんでいる姿の方が馴染みがあるかと思います。それはこれらの水鳥が水の上を泳いだり潜水したりするのに都合がいい体つきになっていて、陸上で素早く歩いたり飛び立ったりするのが苦手で危険だからです。カモの仲間のガンやハクチョウ類、一部のカモ類は、陸上でも餌をとりますが、水際だったり広く見通しのいいところだったりと条件が限られます。また水に囲まれて肉食哺乳類が来ない小さな島状の陸地などは安全性が高いので休息のためよく上がって利用しています。まとめると、泳いだり潜水するのに特殊化していて陸上での生活に適していないからということになります

  • カモは何を食べますか?

    カモの仲間で限定しても、食べ物は種類や季節、個体によって多種多様です。カモの嘴は平べったく縁が櫛状になっていて水中に混じる草の種や破砕物、細かいプランクトン等を濾しとることが出来ます。同時に先端が爪のように尖っていて、立ち上がった水辺の草などを摘み取ることも出来ます。また水の上は陸上に比べて捕食者が少なく安全なので、たくさんあっても重量あたりのカロリーが少なく消化に時間のかかる水草などを食べることが出来ます。ゆっくり休む時間が多いのも水鳥ならではの食性が一役買っています。 その他に遊泳だけではなく潜水も出来るようになったカモは、水底の貝類や甲殻類を食べる種類も多いです。さらに魚を追いかけて捕らえるようになったアイサ類は、嘴が細く鋸歯状になってくわえた魚を逃がしにくいようになっています。

  • どうして浮かんでいられるの?

    鳥の腰のところには油脂線といって脂分を出す器官があって、その脂を嘴で全身の羽に塗りつけています。嘴の届かない頭は直接塗りつけて、足で頭をかいています。そうやって水を弾き、羽毛の間に空気をいっぱい溜めて浮かびやすいよう、また保温が十分機能するようにしています。空を飛ぶ鳥の体は他の生き物に比べて非常に軽く出来ているので沈むのは難しいのですが、水に濡れると保温が効かず体温を奪われてしまうので危険なのです。

  • 何羽くらいいますか?

    この質問ほど難しいものはありません。日変動・季節変動・年変動は大きく、またどの位の正確さで分かるかということも非常に難しいものです。 当センター前では、ほとんど見当たらない時から1万羽くらいいる時まであります。高島市新旭町の湖岸ではカモ科の鳥で約7千5百羽、カイツブリやオオバンなどを含めた水鳥全体で約1万4千羽(2010年1月)を数えました。 滋賀県全体では2010年1月に「滋賀県ガンカモ類等生息調査」という時に数えたデータがリンク先にあります。ご参考になさってください。

  • 天敵はいますか?

    カモ類が直接捕食されるような天敵は、大型のタカの仲間やヒトを含めた肉食哺乳類になります。タカやケモノ、そしてヒトの動きに鳥たちはとても敏感です。 カモの肉はヒトに大変好まれてきました。カモたちはヒトの動きをよく見て、狩猟禁止の場所や期間ではそれほど恐れず、可能な場所ではすぐに逃げるようになります。

  • カモ類やハクチョウがいる期間は?

    カモ類は種類によって異なります。早い種類で9月下旬から渡来し始め、10月下旬から11月上旬に最大数に達します。3月になると徐々に減り始め、4月中旬にはほとんど北へ帰ってしまいます。 高島市で主に越冬する白鳥のコハクチョウは10月中に飛来し、2月末頃飛去します。

  • 何秒くらい潜れますか?

    見ていると数十秒くらいは潜っているようです。最も潜水の得意なペンギンの仲間は十分以上潜れるそうです。

  • どんな魚を獲りますか?

    最初に「カモ」と呼ばれる鳥の仲間はほとんど魚を獲りません。水草や種子、プランクトン、貝など あまり動かないものを食べます。平たく櫛状になっている嘴で水とエサを濾し分けて食べられるように進化したのがカモの仲間です。その中から「カワアイサ」や「ミコアイサ」のように魚を専門に食べるように特化した種類があり、細長くギザギザのある嘴を持っています。捕まえてみないと分からないためそういった研究があるかどうか分かりませんが、体にあった大きさで捕まえやすい種類を食べているものと思われます。 他にカワウは夏場は群れて捉えやすいコアユを、その他の季節はオオクチバスなど様々な種類を食べているそうです

  • 寒くないんですか?

    人間とは別の感じ方をしているはずなので言葉ではし難いご質問です。その場所で暮らしている鳥は、十分にエサをとることが出来れば、凍えて死ぬようなことは少ないと思われます(死に絶えてしまうから)。水鳥たちは人間が「ダウン」として使うような断熱性の高く軽い羽毛を持っています。また羽毛に覆われていない足は、血液が冷えて全身が冷えてしまうことを避けるため付け根のところで熱交換を行っています。野生生物は程度の差はあれその場所の環境に適応して生きているものです。

  • =渡り鳥の暮らし=

  • 渡り鳥はどこから来てどこへ帰りますか?

    鳥は飛ぶことが出来るので地理的制約を越えて地球上で様々な移動をしています。 秋になると渡ってくるカモの仲間は主に海を越えて中国北部やロシアの各地からやってきます。そこでは短い夏、日の長い間に大量に発生する食べ物を利用して子育てをします。その後、安全な水の上で翼の羽を一気に新しく換えて、それから氷に閉ざされる前に南へ渡ります。琵琶湖にやってくるコハクチョウはロシアでも北極圏のツンドラ地帯で子育てをします。 また夏にヨシ原で賑やかなオオヨシキリは、このヨシ原で巣作りして子育てし、秋になると虫が少なくなるので年中虫のいる東南アジアへと渡っていきます。

  • どうして冬に水鳥が来るの?

    水に浮かび水の中のエサを食べる水鳥は、水が凍ってしまうと生活できません。そこで少なくとも湖や川が結氷しないところまで渡りをする必要があるのです。そして長距離の渡りにはたくさんのエネルギーが必要で、また危険性も高いものです。それぞれの季節に暮らしていける場所であれば出来るだけ近い方が良いと思われます。例えば琵琶湖は西日本では数少ない大きな湖で、水草や周辺の農耕地での食べ物も豊富、結氷することも冬中雪に埋もれることも少ないなど、多数の水鳥が越冬できる条件を満たしています

  • 渡り鳥は群れでやってくるの?

    はい。確かに渡りは数の差はありますが群れで行うことが多いようです。渡りはいつもの生活圏から離れて長距離を飛び続けます。捕食者に狙われたり途中でエサを取れなかったり、気象条件等によってコースを外れてしまったりと、危険がいっぱいです。そこでタカ等に狙われやすい多くの鳥は夜間に群れで渡りをします。昼間に渡るのはタカの仲間自身や、まず狙われない大型の鳥、また飛翔能力の飛びぬけて高いツバメやアマツバメの仲間などです。